頑張って提言

那須に住む元広告クリエイターが世の中に対してホンネを語る

西野亮廣に啓発された。

 小生の息子が尊敬する、西野亮廣の著書「革命のファンファァーレ」を息子から貰って読んだ。「現代の若者」の、あの「芸人」が何を言うのだろうかとの興味からだ。読み始めて5~30ページで、「こいつ、俺と同じように本音で生きていやがる」と思うと同時に「いけね!俺、デス、マスでブログを書いている、と気が付いた。そこで、直近の小生のブログ「隣国の睦、と怨」ではデス、マスを止めた。何しろブログのタイトルが「本音で語る」なのだから、デス、マスは似合わない。約半世紀も後から生まれた若い奴に啓発されるとは思ってもいなかったが、早速文章の書き方を変えたのは、その本の「はじめに」の初めに、「だから僕は、【最近の若い者はという言葉】に反発し、年下を肯定することから始める」に賛同したからだ。

 お金とはの項の、お金の定義「お金とは、信用を数値化したものだ」の考えやその理由付けも説得力があり、息子が心酔しているのも納得がいった。その「信用」についても、「嘘をつかないことだ」と、テレビバラエティ番組の食レポで、旨くなくと「美味い」と言わなければならない芸人たちは「信用がな得られなく」「俺は、そんな番組には出ない」「だから、俺には信用があり、クラウドファンデイングで1億円も集めたんだ」と胸を張っている。???。「嘘をつかなければ」信用が得られるのではなく、「嘘をつかないのは」信用の大前提であり、「芸人」の信用は芸そのものの質によると思う。

 言わせてもらえば、「お前さんが、芥川賞作家でなければ、1億円は集まらなかったよ!それは、芥川賞の信用のたまものだよ!」と。

 さらに読み進んで、「芸人を再定義する」で、おっとっと、と躓いた。

 まず、西野君に、芸人を再定義などしてほしくない。「芸人」は、日本特有の文化だ。1500年以前の白拍子の活躍から続くき、特に江戸時代での庶民の育てた「芸人」文化は、世界を見回しても類が少ない。(エンターテナーと芸人は違う)西野君の嫌いな言い方、「今どきの若い者」の君には、再評価は難しいのでは?だから君の定義、「人とは肩書ではなく生き方の名称だ」と訳の分からないことを文章にし、本に記述までしている。そんなに片意地張らなくとも、「芸人」とは芸のすばらしい人間だ!芸人定義のこの項で「ある番組の流れで、肩書での芸人を止めることになり」と述べているが、「芸人」は、自分からなったり,辞めたりするものではなく、世間が付けてくれる肩書だ。もともと、君は芸人じゃないので、辞める必要もなかったのだ。さらに君は、「肩書での「芸人」はやめたが、生き方が「芸人」だから、俺は芸人だと、さらに訳が分からない。

 梅沢富雄という芸人が居る。ご存知彼は大衆演劇のスターで、彼を「芸人」と推す庶民は数百万人いるだろう。その梅沢富雄、いろいろなバラエティー番組に出演し、時には「食レポ」を行い、たぶん、君の言う、「旨くなくとも、旨い」と嘘をついているだろう。しかし彼の「芸」には数百万もの信頼が集まっている。

 ひな壇に並んで、テレビデレクターに媚び、視聴者に媚びを売る「芸人」たちを、西野君は「肩書だけの芸人」一束一絡げだ。その代表格の松本人志には「芸」がある。小生の好きなテレビタレントにして、エッセイスト、時に女優の壇蜜は、自身を「サンシタ芸NO人」と称しているが、どうしてどうして芸達者である。2013年度の日本アカデミー賞では、新人俳優賞を受賞している。彼女は、小生や西野君のように「本音で生きるなどと大声を出さないが、今どきの若い者には珍しく本音で生きていることは、彼女の言動や著書からも知れる。その彼女、芸能界を「正論などほとんど意味を待たない世界で飯を食う」とさらりと言ってのけている。西野亮廣とは大違い。本音で生きると大声をあげ、「芸」を抜きにして「芸人」を語っている君の記述は、「俺は漫才出身だが、芥川賞作家でもあり、【煙突町のブベル】企画者で他のテレビタレントとは一線を画してくれ」と言っているに過ぎない。

 このブログで、西野君の著書「革命のフンファーレ」を取り上げたのは、若者の旗手であり、大きな影響力を持っている彼の記述が、実は玉石混合であるということを、読者に知ってもらいたかったからである。当然「玉」もちりばめられているが、「俺が!俺が!」の石ころが随所にみられる。

 特に、「僕は番組収録中に帰った」と得々と述べているのは、最悪のごろた石だ。彼のやったことは理由は何にしろ社会でのルール違反だ。ルール違反が寛容されれば、彼の言う「お金とは信頼の数値化」も成り立たないしクラウドファンディングも成立しない。「若者の旗手たる君が、ルール違反を煽る立場でいいのかな?」と西野君に言いたい。

 若者よ、世の中にある玉石混合の中から、本当の玉を見分ける力をつけよう。