日本の看板の美的センス
我々日本人は、日本の伝統文化の美しさには自負を持っている。それは、美術、工芸、音楽、芸能から生活様式にまで及び、そのことが、外国の人々の羨望のまなざしを浴びている。
京都や金沢の街並み、馬籠宿に代表される、かっての宿場町のたたずまいは、観光客に十分に満足してもらっている。
しかし、それらは残念なことに歴史上の先達の遺産である。そして現代のわれわれが残しているもの、それは、下に掲載した写真が象徴している、美とはかけ離れたもの。日本にも町の美化を目的とした看板を規制する条例はある。然るに、日本全国、主要道
路の隅々までこの有様では、2,020年が思いやられる。
これは、地方行政のやる気のなさによるもので、京都の街中はこのようにはならないし、我が町那須では、全国展開する企業、例えばセブンイレブンや日石のスタンドをはじめほとんどにも協力を得て看板の色を規制し、しっとりとした雰囲気を醸し出している。